さようなら、シロ。

以前ご紹介した、リンゴジュースのペットボトル内に自生する白まりもですが、この度たくさんの子まりもが生まれました。

希少種である白まりもは繁殖能力が乏しいという学説に疑問符を投げかけるこの現象は、次回のまりも学会にて発表することにします。


一方、『これほど大量に繁殖してしまっては、餌のアンキモ費が馬鹿にならない』との家族の声を受け、これらの白まりもは浜名湖へ放流されることになりました。

突然の発表に驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、心配はご無用です。

私どもの長年の研究の末、白まりもは塩水にも適応しうることがわかっているのです。

実験によれば、特に汽水湖程度の塩分濃度に最も適応性を見せ、更に浜名湖にはアンキモと同成分を有する動物プランクトン(我々により発見、アンキモナスと命名)も大量に繁殖していることもわかったのです。これで餌の心配も要りません。

ひょっとしたら数年後、浜名湖を埋め尽くす白まりもを皆様にお届けできるかもしれませんね。フフフ。



『白鞠物語 了。』





※もちろんフィクションです。嘘っぽいところは全部嘘と思っていただいて結構かと思われます。
ちなみに、放流の際に『熟成したりんご酒』の香りがしたことは内緒です(笑)