自販機、よかよか


冬の空を飾る天の川。
川底の、色褪せた公孫樹並木の、その終わりに、ぽつんと佇む、人工の光。
ひどく錆び付いた筐体は、それでも本来の機能を覚えているらしく、
硬貨を入れると、がしゃこん、とアナログな落下音とともに、
懐かしい、細長い缶に、剥がせるタイプのプルタブ。
冷えきった私の心を溶かす飲み物を、提供してくれるんだ。
「自販機って、いいよね」