星空の距離

20日、深夜。新月明けで、天気も良いので、家を抜け出しぶらぶらと近所の山へ。
家からだとどうしても周囲の明かりが気になるので、完全な闇の中で星空を撮影したかったため。
もともと人気の無い場所なので、こんな時間(12時30分)に人などいるはずも無い。幸いイノシシ気も、なかった。
しかし、想定外の寒さだ。コート着てくればよかった。気温は5℃くらいかもしれないが、高所のためか風がやたら強く、体感は氷点下。車という遮蔽物が無ければ、車外活動は3分が限界だろう。


そんななか、3脚をセットし、(基本的には車内待機で)撮影敢行。目標は天の川撮影・・・だったのだが。
結果:多分、無理。予想はしていたが、今持っているレンズ(Nikkorダブルズームセットレンズ)では集光率が低すぎる。付け加えれば、大して広角でもないので天の川がもし写っても、いまいちわかりづらいのではないだろうか。

北の空には北斗七星が瞬く。残念ながら、少々ピンボケしてしまった(※)。


長時間露光したもの。北極星をほぼ中心にぐーるぐる回っているので、北に向けて長時間露光して光跡を残さない星が必然的に北極星である。

空ばかり撮っても味気ないので、車を入れてみる。車体が星の光に照らされて淡い反射をしているのがわかる。レーダの淡い蛍光色がかっこいいかも。

せっかくなので、望遠で浜松中心街を激写。といっても、良い子・浜松市はこの時間にはぐっすり眠っており、寝言程度の明かりしか見えない(笑)。ちなみに、撮影ポイントと被写体の位置関係は以下のようになっている。


結局、凍えながらも1時間30分程度撮影し、丑三つ時に帰宅。カメラの手入れもせずに、死人のように風呂に入り、泥のように眠りにつく。
ふと、これが幸せということかもしれないと思ったかどうかは、今となっては確かめる術が無い。



※レンズのフォーカスは、よく○○cm〜∞とあるように、フォーカスリングを思いっきりまわすと無限遠に焦点が合うものだと思っていたのだが、そのようにしてD40で星空を撮影すると、ピンボケしてしまう。当初はレンズの不良かと思ったが、調べてみると、思い切りまわした際には一般的に無限遠よりも遠く(笑)にフォーカスが合うようになっているらしい。
というのも、レンズの特性(フォーカス)が使用環境(温度など)に影響されて変動する(つまり伸び縮みするのかな?)ため、常温で無限遠に合うようにセッティングすると、高温の環境下で無限遠に合わなくなってしまうといった不具合が生じるからというのである。夜景などを撮影する際はたいてい低温なので、無限遠よりも遠くにフォーカスが合ってしまうということである。


さて、困ったことに、星空はあまり明るくない。当然オートフォーカスも利かない。仕方が無いので、僕が星空を撮影する際には、苦肉の策として次のようなことを行っている。
1.3脚ごと担いで(笑)、オートフォーカスで、無限遠にフォーカスされる対象物(明るい星、月、今回はアクトとか)にフォーカスをあわせる
2.マニュアルフォーカスに切り替え、カメラを空に向けて撮影
さて、困ったことに、カメラを上に向けているためか、フォーカスをちゃんとあわせても、フォーカスリングが地球に引かれてすぐ(20分くらい)ピンボケしてしまう。仕方が無いので、僕が星空を撮影する際には、諦めることにしている。対処法など知っている方がいらっしゃれば、是非とも教えていただきたい。